あじさい内科クリニック

栃木市大平町牛久

1回で消す!ピロリ菌除菌

☆ピロリ菌によって引き起こされる病気

有名なところで委縮性胃炎、胃潰瘍、十二指腸潰瘍、胃癌、血液内科領域では悪性リンパ腫(MALTリンパ腫)、血小板減少性紫斑病といった病気もピロリ菌感染が関係します。

これらの病気の予防や治療目的にピロリ菌の除菌が行われます。

☆除菌治療薬

除菌1回目には2種類の抗生物質クラリスロマイシン、アモキシシリン)と、胃酸を抑えて抗生物質の効き目を良くする薬が使用されます。

抗生物質に耐性を持つピロリ菌が増え、除菌率が徐々に落ちているのが問題になっていましたがタケキャブという強力な胃薬が除菌に導入されると臨床試験では従来の7~8割から9割程度に除菌成功率が上昇しました。

それでもピロリ菌が生き残ってしまった場合には抗生剤を変更して二次除菌をするとほとんどの方は除菌に成功しますが、薬の副作用(下痢)のリスクや手間を考えると一回で成功するにこしたことはありません。

☆除菌率を高めるには?

少しでも除菌を確実にしたいという方のためにいくつか方法をご紹介してみます。

・LG21入りヨーグルト

LG21はピロリ菌抑制効果があるという乳酸菌です。乳酸菌は胃の中に定着できませんので補充していくことが必要です。除菌前3週間、除菌中1週間、毎日2個ずつ摂取すると除菌の成功率が10%ほど増加したというデータがあります。

・禁煙

喫煙によって胃粘膜の血流が悪くなり胃酸の分泌は増えるためピロリ菌の除菌率を下げる恐れがあります。除菌中だけでも禁煙することをお勧めします。もちろんその後もずっと禁煙するのもよいでしょう。

※タバコはピロリ菌よりも強力な発癌因子です。

歯周病の治療をする

胃内だけでなく口の中の歯周病ポケットのような場所にもピロリ菌がいることが分かってきました。歯周病を持っている人は除菌率は下がり、除菌後の再発率が上がることが知られています。

ピロリ菌除菌と歯周病の治療を行うことで単独治療(60%)よりも高い除菌率(76%)が得られるという報告があります。歯周病のある人は先に口腔ケアをするのが良いでしょう。

コレステロールの多い食品を控える

ピロリ菌の除菌率とコレステロールの摂取量に関係があるというのは意外ですが、コレステロールを加えて培養したピロリ菌は強力な薬剤耐性を示すようになるという報告があります。石垣島の住民4014人を対象にした研究ではコレステロール摂取量の少ない人々(推定183㎎/日以下)で除菌率68%、もっとも多い人々(315㎎/日以上)で41.4%とかなりの差が出ています。除菌のどれくらい前から食事制限をするのが効果的かは不明ですが…

血液検査での高脂血症の有無と除菌率とは関連しないとのことです。

・除菌治療薬を飲み切る

当たり前のようですが除菌失敗の重要な原因と考えられます。ひどい下痢など副作用が出た場合は別として忘れずに1週間飲み切りましょう。

 

ご挨拶

あじさい内科クリニック

2017年11月栃木県大平町に開院しました。

診療所の周辺や健康についての話題など綴るブログです。

 

 高血圧、糖尿病、高脂血症など生活習慣病

胃・腸など消化器症状、内視鏡検査、C型肝炎B型肝炎、循環器疾患、

健診他日々の健康に関わるささいな事でも気軽にご相談ください。